蔑
そんな死を望む私にナイト・オブ・ウインド夜の風から深山君の情報を聞き出したのは最近のことでした。
『『心』を破壊することで、君を殺せる者が存在する』と。
正直私は、死ぬことでしかこの大罪を償うことは出来ないと思っていました。ですからこの罪を償うことはどうやっても出来ないと考えていたので、深山君の存在を聞いた時には狂喜しました。
これでやっと死ぬことが出来る、と。
私は、私を殺してもらう為に、深山君に近づいたんです。あの実験体を倒した後にあわよくば、私もろとも死んでもらう為に。
その為に色々な工作もしました。生徒に私の存在を疑問に思わないよう暗示を施しましたし、大竹君を通じて深山君に接触するのがもっとも好ましいと分析して、大竹君に強く暗示を施し近づきもしました。
全ては、深山君の信用を得る為、です。
最低ですねと呟き、葵は立ち上がる。
「こんな私が許されるはずがないんですよ」
葵は自虐的に微笑む。
「じゃあ、聞こう。先輩はどうして俺と始めて会った時に、俺を殺そうとしなかったんだ?」
「……どういうことですか?」
「初対面の相手にいきなり殺されそうになったら普通、反撃する。どうしてそうしなかったんだ?」
能面のような表情の無い顔。虚ろな蒼い瞳が揺れている。
「……簡単です。あの時の深山君は『心眼』を発現させていなかったからです」
「話からすると、俺の過去を先輩は白マントから聞いているんだろう?」