不幸だっちゃ

生き抜く

生き抜く

根負けしたように葵は顔を伏せながら呟いた。

「……ごめん。本当に」

緋影は頭を下げた。

しかし、

「さて、それじゃあ手当てをしましょう。幸い今の深山君の回復力はかなり高いので、それほど時間は懸からないでしょう」

そう言って葵は柔らかな微笑みを浮かべた。だがどことなくぎこちない微笑みだ。

「……本当に、ごめん」

呟くと同時に突風が吹いた。

「……見事だ、深山緋影」

背後から突然捉えどころの無い声が聞こえてきた。

二人はゆっくりと痛む体を労わりながら振り返る。

「……ウインド・オブ・ナイト夜の風」

その名を葵が呟く。

「……君達に問おう……サイレント・ブルー……何故に死を求めていた者が、生を求める?」

蒼い瞳に力強い意思を宿しながら、葵は答える。

「……確かに、私は死を求めていました……贖罪の為に」

「では、何故?」

「……ですが、私はもう自分に嘘はつけません……彼を……深山君を守って、共に人生を歩んでいきたい」

一呼吸置いて、

「……私は、深山君と一緒に生きていきたい」

それを聞き届けた白マントは、

「深山緋影……死を宿命づけられた男よ。何故に儚い命で必死に生き抜こうとする」